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【著作権専門の行政書士が解説】文化庁に著作権登録できる著作物の種類や手数料、手続き方法をまとめました。


2025年12月10日



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 ブログをご覧いただきありがとうございます。著作権・知的財産権専門の行政書士、松浦です。12月に入り今年も残すところあとわずかですね、街ではクリスマスムードでイルミネーションが綺麗なクリスマスツリーを見かけます。

 それでは、今回は著作権登録についての記事になります。



💡 はじめに:なぜ著作権登録が必要なのか?


 著作権は、創作した時点で自動的に発生します(無方式主義)。

 しかし、この「自動的に発生した権利」を、他者とのトラブル発生時に証明するのは非常に困難です。そこで、著作者の権利を強力に守るために存在するのが、文化庁への「著作権登録」制度です。登録をすることで、公的に権利を証明でき、万が一の紛争時に非常に有利になります。

 本記事では、著作権登録の専門家である行政書士が、登録できる著作物の種類、かかる費用(手数料)、そして具体的な手続き方法を詳しく解説します。



1. 著作権登録できる「著作物の種類」


 著作権登録にはいくつかの種類があり、それぞれ登録できる要件が定められています。特に行政書士が取り扱うことが多い主要な登録の種類は以下の通りです。


(1) 実名の登録(著作権法第75条)

 【目的】 著作物が公表された際に、無記名または別名(ペンネームなど)で公表された場合、登録により著作者が誰であるかを公的に証明します。

対象となる著作物: 小説、絵画、音楽、写真など、公表された著作物


(2) 第一公表年月日の登録(著作権法第76条)

 【目的】 著作物が「いつ」世に初めて公表されたかを公的に証明します。

効果: 登録された公表年月日をもって、その著作物が公表されたと推定されます。特に、盗作などが発生した際に、相手の作品より先に公表されていたことを証明する強力な証拠となります。


(3) 創作年月日の登録(著作権法第76条の2)

 【目的】 まだ公表されていない著作物について、「いつ」創作されたかを公的に証明します。

対象となる著作物: プログラムの著作物(ソフトウェア)に限られます。

効果: 登録された創作年月日をもって、そのプログラムが創作されたと推定されます。


(4) 著作権の譲渡・信託の登録(著作権法第77条、第78条)

 【目的】 著作権を他人へ譲渡したり、信託したりした事実を公的に記録します。

効果: 登録をしないと、著作権を譲り受けた者が、第三者に対して「私が権利者だ」と主張できません。ビジネスで著作権の売買やライセンスを行う際には必須の手続きです。


(5) 出版権・著作権等に関する質権の登録

 著作権を担保にして融資を受ける(質権を設定する)場合や、出版社との間で出版権を設定する場合に登録します。



2. 著作権登録の「手数料(費用)」


 著作権登録にかかる手数料(2025年12月時点)は、申請する登録の種類によって、文化庁が定める法定の手数料(登録免許税)が異なります。


★第一公表年月日の登録

法定手数料 3,000円、最も一般的に利用されます。


★実名の登録

法定手数料 3,000円、著作権者一人につき。


★著作権の譲渡の登録

法定手数料 12,000円著作権の移転を証明したい場合に必要。


★プログラムの創作年月日の登録

法定手数料 9,000円、コンピューターソフトウェア著作権登録協会(ACCS)を経由します。


 上記の法定手数料に加え、行政書士に依頼する場合の費用として書類作成、提出代行、文化庁とのやり取りを行う代行報酬が発生します。報酬額は事務所によって異なりますので、事前にご確認ください。



3. 著作権登録の「手続き方法と流れ」


 著作権登録の窓口は文化庁(またはプログラムの場合は指定登録機関)ですが、手続きには専門的な知識と規定の書式での書類作成が求められます。


(1) 基本的な手続きの流れ

 1.必要書類の準備・作成

   ・登録申請書: 決められた書式に従って作成します。

   ・著作物の謄本(コピー): 登録する著作物を確認するための資料。

   ・事実を証明する資料: 第一公表日などを証明する公表媒体

    (書籍、ウェブページの写し、公証役場発行の書類など)。

   ・権利関係の資料: 譲渡登録の場合は譲渡契約書など。

 2.収入印紙の貼付

 ・登録申請書に、所定の手数料分の収入印紙を貼り付けます。

 3.文化庁への提出

 ・原則として郵送で文化庁著作権課へ提出します。

 4.審査と登録

 ・書類を審査し、問題がなければ「著作権登録原簿」に登録されます。 

 5.登録済通知書の受領

 ・登録が完了すると、行政書士(または申請者本人)に「登録済通知書」が届き

  ます。


(2) プログラムの著作物の手続き

 プログラムの著作権(創作年月日や譲渡など)の登録は、文化庁長官の指定登録機関である一般財団法人ソフトウェア情報センター(SOFTIC)が行います。

 手続きの特殊性: 著作権法上の「創作年月日」を登録できるのはプログラムのみであり、手続きも厳密な資料(ソースコードの一部など)の提出が求められます。



4. まとめ:行政書士に依頼するメリット

 

 著作権登録は、著作権法の条文を読み解き、厳密な申請書と裏付け証明資料を作成する必要があるため、慣れていない方が自力で行うには手間と時間がかかります。


★確実な登録: 法律の専門家である行政書士が代行することで、申請書の不備による「補正」(修正要求)や「却下」のリスクを大幅に減らせます。


★時間と労力の節約: 書類作成や公証手続き、文化庁とのやり取りをすべて任せられます。


★最適な登録の提案: お客様の状況(別名か実名か、譲渡があるかなど)に応じて、どの登録が最も必要かを判断し、提案できます。


 知的財産権に関するご相談、文化庁への著作権登録代行は、当行政書士事務所にお気軽にご相談ください。あなたの権利をしっかり守るお手伝いをいたします。

 
 
 

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