AIが絵を描き、文章を作る時代!では、「生成AI」って一体な〜に?
- mstyle0914
- 9月4日
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2025年9月4日

ブログをご覧いただきありがとうございます。著作権・知的財産権専門の行政書士の松浦です。早いことに9月になりましたが、まだまだ暑い日々が続きそうですね。
最近、AIが描いたとは思えないほど美しい絵画や、まるで人間が書いたかのような自然な文章をSNSで見かけることが増えました。これらはすべて「生成AI(ジェネレーティブAI)」と呼ばれる技術によって作られています。
「AIは計算や分析をするもの」という従来のイメージとは全く違う、クリエイティブな能力を持つこの新しいAIについて、GUGA公認「生成AIパスポート」を取得している、私が分かりやすく解説していきます。
1. 「生成AI」とは何か?
一言でいうと、「学習したデータから、新しいデータやコンテンツを"生み出す"ことができるAI」のことです。AIが学習することは機械学習 (Machine Learning) と呼ばれます。
従来のAIは、与えられたデータの中からパターンを見つけ出し、分類したり予測したりすることを得意としていました(例:スパムメールの判定、顔認証、株価予測など)。しかし、生成AIはこれとは異なり、テキスト、画像、音楽、動画など、さまざまなコンテンツをゼロから創り出すことができます。この「創造性」こそが、従来のAIとの最大の違いです。
2. 生成AIの種類と具体例
生成AIは、生み出すコンテンツの種類によってさまざまなものがあります。
① テキスト生成AI
文章を作成するAIです。LLM(大規模言語モデル) と呼ばれています。
★例: ChatGPT, Bard (現Gemini), Microsoft Copilot
★得意なこと:質問への回答論文やレポートの要約ブログ記事や小説の執筆プログラミングコードの生成など
② 画像生成AI
テキスト(プロンプト)を入力するだけで、全く新しい画像を生成します。
★例: Midjourney, Stable Diffusion, DALL-E
★得意なこと:存在しない風景やキャラクターの描画イラストやデザインの作成既存の画像に手を加える編集作業など
③ 音楽生成AI
入力されたテーマやスタイルに合わせて、オリジナルの楽曲を作成します。
★例:Suno, AIVA, Amper Music
★得意なこと:ゲームや映画のBGM作成好みのジャンルの音楽の作曲
3. 生成AIを支える2つの重要な技術
生成AIの驚くべき能力は、高度な技術によって実現されています。ここでは特に重要な2つの技術を紹介します。
① 大規模言語モデル(LLM)
【用語解説】
★大規模言語モデル(LLM: Large Language Model): 大量のテキストデータを学習することで、人間のような自然な言葉を理解し、文章を生成できるAIモデルのこと。
膨大なデータから文法や文脈、知識を学びます。ChatGPTのようなテキスト生成AIは、このLLMがベースとなっています。インターネット上のありとあらゆる文章を学習することで、質問の意図を正確に読み取り、自然な言葉で回答することができます。
② 敵対的生成ネットワーク(GAN)
【用語解説】
★敵対的生成ネットワーク(GAN: Generative Adversarial Network): 2つのAI(「ジェネレーター」と「ディスクリミネーター」)が互いに競い合うことで、より高品質なコンテンツを生成する技術。これは、少し変わった仕組みです。主に画像や動画生成に利用されます。
★ジェネレーター(生成器): 本物のデータに似せた偽物(フェイク)のデータを作ります。
★ディスクリミネーター(識別器): 作られたデータが本物か偽物かを判定します。ジェネレーターはディスクリミネーターを「だまそう」と、より本物に近いデータを作ろうとします。一方、ディスクリミネーターはジェネレーターの作った偽物を見破ろうと、判定能力を高めます。
この競争を繰り返すことで、最終的に人間が見ても本物と区別がつかないような、非常に高品質な画像や動画が生成できるようになります。
4. 生成AIがもたらす未来と課題
生成AIは、私たちの生活や仕事に大きな変化をもたらすでしょう。
【可能性】
★クリエイティブな作業の効率化: 企画書作成、デザインのアイデア出し、キャッチコピーの考案などが短時間でできるようになります。
★新たな表現方法の創出: 誰もが簡単にオリジナルの作品を作れるようになり、表現の幅が広がります。教育や研究の発展: 学習のパーソナライズ化や、データ分析の新たな手法が生まれます。
【課題】
★著作権の問題: 生成AIが学習した元のデータの著作権はどうなるのか、AIが生成した作品の著作権は誰に帰属するのか、といった議論が進んでいます。
★フェイクコンテンツ: GANなどの技術を使えば、本物そっくりの偽画像や偽動画(ディープフェイク)が作られ、誤情報が拡散するリスクがあります。
★雇用の変化: 一部の単純なクリエイティブな仕事がAIに置き換わる可能性も指摘されています。
5. 生成AIを学びにおすすめの資格・検定
生成AIの知識を体系的に学び、スキルを証明したい方には、以下のような資格や検定がおすすめです。
★生成AIパスポート試験(GUGA)
特徴: 生成AIの基礎知識、ビジネス活用事例、利用時のリスク管理(著作権、個人情報保護など)を問う試験です。
おすすめポイント: AI初心者やビジネスパーソン向けに特化しており、生成AIを安全かつ適切に活用するための知識を網羅的に学べます。オンラインで受験できる手軽さも魅力です。
★G検定(JDLA Deep Learning for GENERAL)
特徴: 生成AIだけでなく、AIやディープラーニング全般の知識を幅広く問う試験です。
おすすめポイント: AIを扱うビジネス全般に関わる知識を網羅できるため、DX推進担当者やプロジェクトマネージャーなど、より広範な役割を目指す方におすすめです。
★Microsoft Azure AI Fundamentals (AI-900)
特徴: Microsoft Azureのクラウド環境におけるAIサービスに関する基礎知識を評価する資格です。
おすすめポイント: クラウドサービスを使い、実際にAIモデルを構築・運用するスキルを習得したい方や、グローバルで通用する資格を取得したい方に向いています。
まとめ
生成AIは、私たちの想像力を広げ、創造性を高めるための強力なツールです。しかし、同時に社会的な課題もはらんでいます。この新しい技術を正しく理解し、倫理的な問題と向き合いながら、より良い未来のために活用していくことが重要です。





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